ツミデミック
あらすじ
パンデミックの情勢を背景に、さまざまな『罪』を描いた6つの物語が収められています。それぞれの物語は、パンデミックの影響を受けた人々の生活と心情を描いています。
あらすじの概要
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さざなみドライブ
自殺志願者たちがSNSで集まり、目的地に向かう道中でお互いの自殺理由を告白し合う物語。話し合いの中で生きる希望を見つけるという意外な結末に。 -
特別縁故者
失業中の恭一が、近所の一人暮らしの老人と交流を深める中で、心境に変化が生まれ、最終的には老人を助けることとなる。 -
ロマンス
専業主婦の百合が、イケメンのデリバリー配達員に一目惚れし、彼に再び会いたい一心でデリバリーサービスを頻繁に利用するようになりますが、その執着が思わぬ事件に発展。 -
祝福の歌
母親、妻、娘という女性たちの強さを描いた物語。母親に焦点を当てた微妙な心情描写が特徴。 -
憐光
高校生の時に亡くなった唯が幽霊として生き続け、自分の死の理由を知り、周囲の人々との関わりを通じて自分の存在意義を見つける物語。 -
違う羽の鳥
大学を中退し、夜の街で客引きをしている優斗が、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗る女性と出会い、過去の記憶と向き合う物語。
感想
まず、『罪』×『パンデミック』=『ツミデミック』というタイトルがとても好きですね!
印象的だった部分がこちら
”いちばん人を苦しめるんも、怖がらせるんも、『わからへん』ってことやから。”
”縁あって夫婦になったから、頑張って支えてんだ。いつまでも甘ったれてたら本当の縁故に見放されるぞ。”
”淡々とした語り口は、コップのふちぎりぎりで盛り上がってふるえる水面のような危うさに満ちていた。その下に湛えた暗い水の深さは、彼女にしかわからない。”
”最初から騙すつもりの嘘より、ついた時点では本心だった嘘のほうが悪質だ。”
”将来とか未来とか可能性とか、うざいんですけど。あたしが子どもだから、あたしの悩みは大したことないの?死ぬほどのことじゃないって否定されるの?あたしのつらさはあたしにしかわかんないのに!”
短編集は読みやすいが物足りない、という印象もありましたが、一編一編どれも読みやすく、しっかりと引き込まれるストーリーでした。
まとめ
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