本書の概要
宮島未奈のデビュー作『成瀬は天下を取りに行く』は、六編からなる連作短編集です。滋賀県大津市を舞台にした青春小説です。主人公の成瀬あかりが、地元の象徴である西武大津店の閉店をきっかけに、様々な挑戦を通じて成長していく姿が描かれています。本書は2024年本屋大賞を受賞し、多くの読者から絶賛されています
あらすじ
物語は滋賀県大津市を舞台にした青春小説です。主人公の成瀬あかりの中学2年生の夏から高校3年生の夏までの出来事を描いています。成瀬あかりは、周囲から「変わった子」と思われながらも、自分の興味の赴くままに行動する少女です。地元の象徴である西武大津店の閉店をきっかけに、様々な挑戦を通じて成長していく姿が描かれています。各編で成瀬あかりが異なる挑戦に取り組む様子が描かれています。
- ありがとう西武大津店 – 成瀬が西武大津店の閉店まで毎日通い続ける。
- 膳所から来ました – 成瀬がM-1グランプリに挑戦する。
- 階段は走らない – 小学校時代のクラスメイトとの再会。
- 線がつながる – 高校入学式で坊主頭になった成瀬。
- レッツゴーミシガン – 百人一首全国大会での出会い。
- ときめき江州音頭 – 幼馴染の島崎との別れ。
見どころ
1. 実在する西武大津店
本作には実際に存在した西武大津店が登場します。2020年8月31日に閉店したこの百貨店は、地元民にとって特別な場所でした。地元に西武があった方には特に共感できる内容となっています。
2. 個性豊かな主人公・成瀬あかり
成瀬あかりは、常識にとらわれず、自分の信じる道を突き進むキャラクターです。彼女の独特な言葉遣いや行動力、そして時折見せる少女らしさが読者を魅了します。
3. 読後感の良さ
本書はクスッと笑える場面や心温まるエピソードが多く、読後感が非常に良いです。忙しい日常の中でもサクッと読める短編集として、多くの読者から支持されています。
続編情報
2024年1月24日には続編『成瀬は信じた道をいく』が発売されています。続編では、成瀬が「びわ湖大津観光大使」として新たな挑戦をする姿が描かれています。さらに個性豊かなキャラクターたちとの交流も見どころです。
おすすめポイント
- 短編集なので忙しい方にも最適：各話完結型でありながら、全体として一貫したテーマがあります。
- 読後感が良い：クスッと笑える場面や心温まるエピソードが満載です。
- 主人公から元気をもらえる：成瀬あかりの前向きな姿勢や行動力に勇気づけられます。
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